PICK UP IDOL アップアップガールズ(仮)
PHOTO=厚地健太郎 INTERVIEW=田中裕幸
11・8武道館公演目前のシングルは
「不安」を乗り越えるための「絆」を表現
――先月には初の台湾でのテレビ出演、そして韓国遠征、盛り上がったようですね!いろいろと刺激を受けられたのでは?
古川「台湾では台湾や韓国のアイドルの方と一緒に番組に出させていただいたり、韓国でもAprilさんやRAINBOWさんといった現地のアイドルさんと共演させていただきました。海外のアイドルさんと絡むのは初めてだったんですけど、ライブの見せ方も違えば、お客さんの盛り上がり方も違って勉強になりました」。
――やはり日本のお客さんとは違う?
古川「女性のファンの方も多くて、女性らしい美しさ、かっこよさが見えた時に盛り上がってくれました。私たちとしては一緒に声を出したり一緒に踊ったりというのがライブの一番盛り上がる形なんですけど、そういう楽しみ方もあるんだなと」。
――日本のファンのような「オイ!オイ!」みたいなノリじゃないんだ。
古川「胸の前でサイリウムを振りながら、盛り上がった時に手を振ったり、黄色い声が上がるんですよ」。
佐藤「台湾や韓国のアイドルの方は日本でもキャンペーンをされるからだと思うんですけど、日本語が上手! 私たちは喋りたいことを覚えていって、ステージ上で話すくらいしかできていなかったので、やっぱりもっと語学力を鍛えて、現地のファンの方と日常会話でコミュニケーションをとっていきたいなと思いました」。
仙石「台湾ライブの時一曲だけ中国語で歌わせていただいて、『セブン☆ピース』という曲の中のサビの部分で一人一行ずつ歌っているのですが、それはすごく緊張したし、新しい挑戦になりました」。
――ライブ以外でも楽しめた?
森「台湾は弾丸ツアーで全然時間がなかったのですが、韓国では時間があるメンバーは買い物や観光もできました」。
古川「東大門にあるファッションビルを見たり、屋台でお腹いっぱいに食べたり…」。
森「私はトッポッキが食べたくて…。念願の本場のものが食べられて嬉しかったです!」。
新井「あ、『食べたくて韓国に行った』と言うのかと思った(笑)。ライブに行ったんだよ!」。
森「トッポッキはやっぱり日本では日本風味になっていて、本場の味は違いました」。
古川「ヒィーヒィー言いながら食べる感じがいいよね」。
――さて、そんなアプガのみなさんのニューシングルが10月11日にリリースされました。まず「!!!!!!!!」。佐保さんのツイッターで話題になっている「!」の連打ですが、これなんて読むの?
一同「『バンバンバン』です!」。
佐保「この曲は私たちとアプガファミリー(ファン)との絆を歌っているんですけど、一言一言がふとした瞬間の自分たちにすごく当てはまると感じました。ステージに立つ前のちょっと不安な気持ちだったり、ステージに立ってすごくハイテンションになってみんなと盛り上がっている時の気持ち、それが終わった時の寂しくなるぽかんとした気持ちとか全部詰まっていて。武道館公演(11月8日)が決まってから、今までよりもファンの方の気持ちを聞く機会も増えたのですが、不安な気持ち、楽しみな気持ち、それがせめぎ合っているのが多分お互いそうで、みんなが応援してくれるから私たちはがんばれるし、その姿を見てみんなももっと頑張ろうとか、お互い思い合ってるところがこの曲にも表れているのかなと思います」。
――「不安」というのはたとえば「うまくパフォーマンスができなかったら…」とか?
佐保「歌い出しの『怖いものなんてないのに 時々足がすくむんだ』という、その歌詞すごくわかって。普段は結構強気なグループだし、基本的にライブが好きで楽しんで臨めるんですけど、でもなんかステージに上がるのが怖くなったり、急に不安になる瞬間があって…」。
古川「やっちゃいけないことがそんなにあるわけではないし、こう見せなきゃいけないというものがあるわけでもないのに、自分たちで勝手に『こうしなければ』と決めつけて不安になる時があって…。でもそれを経験して成長してきた部分もあって、なんかいろんなことを期待されることだったり、そういうのを溜め込んで、それが吹っ切れたときに階段を登ってこれたのかなという感じがあるので、私たちにとって共感できる歌詞です」。
――「通常盤A」に収録の「YOLO」は綾乃さんが初の作詞にチャレンジしているんですよね。もともと作詞をやりたい気持ちはあったの?
佐藤「はい! でもなかなか機会がなかったのと、自分が本当にできるのかという不安もあったのですが、今回日本武道館公演が決まってから、『アプガの思いをメンバー自身が書いたらおもしろいんじゃない?』というスタッフさんからの勧めで書かせていただきました」。
――ストレートなメッセージが伝わる詞ですね。
佐藤「私自身ボキャブラリーが豊富ではないし、カッコつけるより今のアプガの思いをストレートに伝えたいなと思いました」。
――初めての作詞で試行錯誤も多かったのでは?
佐藤「最初に曲をいただいて、歌詞を当てはめていったんですけど、曲を聴いた感じで、強い歌詞が合うんだろうなと思って書いているうちに、なんかやっぱり武道館を目の前にして、すごい不安になることもあって…」。
――その思いって?
佐藤「今まで通りのことをやっていても前に進めないし、いろんなことに挑戦し続けるグループだから、これからもたくさん変わっていきたい。自分たちの中でも試行錯誤しながらやってきて、変わることに対していろんな意見があったり、不安に思うこともあったりしたんですけど、それは自分たちが今まで積み上げてきたものだから、『私たちはブレないよ』という歌詞を入れてみました。ここまで来たら、自分たちと目の前の支えてくれている人たちを信じて、先に進んでいくしかないという気持ちを込めて書きましたので、それを感じ取ってもらいたいなと思います」。
――それにしても、会話の中で次々と「不安」というワードが出ますが、やはりそれだけ「武道館」って大きな壁に感じるのかな?
森「ずっと『武道館公演をやるからには満員にする!』という気合いはあって、でもその気合いの分、変にいろいろしょいこんで不安になっていました。けど最近はいい意味で楽に考えるようになって…。すごい奇跡が起きないと武道館は満員にならないという現実を私たちは知っていて、だけど満員じゃなくても、そこに来てくれたファンの方々を楽しませることができたら、それはそれで成功だし、そこで私たちが全力で楽しめたらそれも成功だし、成功の形っていっぱいあるから、いかにそこに持っていけるかが大事なんじゃないかなと、思考が変わるようになりました。だからといって、『満員にならなかったけどやってやったぜ』って開き直るんじゃなくて…」。
「これが世に出るのか!」
ジャケットの大胆衣装を見たメンバーの本音
――新曲「君という仮説」でも今のメンバーの思いが表されている?
関根「この曲は聴く人によって印象が違い、違う形で届くものだなと思います。歌割がくるくると変わるんじゃなくて、ちゃんと一人ひとりゆっくり伝えられるような形になっているので、その子がどうやって届けるかによっても変わってくるから、今までよりもおもしろく届けられるんじゃないかなと思います。でも歌う時は、題名からして難しいなと思ったんです」。
――ちょっと理屈っぽく感じたのかな?
関根「どういう気持ちで歌ったらいいのかなって…。今まで題名や歌詞からどういうことを伝えようかなと考えるんですけど、今回は壮大すぎて、いろんなことを考えさせてくれて、その分迷って焦点が定まらなくて、でもそれもいいかなと思いました。それぞれの捉え方で聴いてもらって、この曲でいろんなことを感じてもらいたいなと思います」。
――最年少の新井さんも歌詞の解釈には苦戦したかもしれませんね。
新井「歌詞を見て、言葉の意味とか調べて、それでも自分の中にすんなり入って来なくて、レコーディングの時に(サウンドプロデューサーの)michitomoさんからいろいろアドバイスをもらいました。聴き手によっていろんな感じ方があるから、イメージを押し付けたりしないで、その人が聴いたまんまに受け取ってもらえればいいからと。それを聞いてから、アプガ7人まとまっての正解はないんじゃないか、それでもいいんじゃないか、と思うようになりました」。
――この曲のダンスの振付は小夏さんが担当されているそうですね。
古川「『君という仮説』と『YOLO』の振付をやっています。イベントで振付をやらせてもらったことはありますが、シングルの振付をさせてもらうのは今回が初めてです」。
――どんなテーマで振付を?
古川「今まではどちらかというとアプガが魅せるという形の振付でしたが、特に「君という仮説」はみなさんにも踊っていただくということを考えて振付を考えました。それを武道館でアプガファミリーが一緒に踊ってくれている景色を見たら泣くだろうなと思います」。
――ところで、今回のジャケット写真の露出度の高いビジュアルも話題になっていますね。
古川「最初はちょっと抵抗ありましたね。これが世に出るのかと。これで歌って踊ったら、もうアイドルかどうかわからない」。
佐藤「なんか今までの活動もアイドルなのかなと思われている上に、アイドルらしからぬ写真が来たので大丈夫かなと思いました」。
古川「でも、これだけ露出しても、セクシーというよりは、どちらかというと強そうに見えて、アプガの持ち味が出ていると思います」。
佐藤「アイドルのライブイベントとかでスクリーンにアー写がバンと出るじゃないですか。可愛いフリフリとしたアイドルが多い中だとインパクト強くて、覚えてもらいやすいと思うんです。でも同時に、違うイメージがつきそう(笑)」。
森「カフェで可愛く女子会みたいな写真も撮ったんですよ。そっちはアプガっぽくないよねと却下になりました」。
古川「でもやはり私たちのイメージってこれなんだなと。それを実感させられた気がしました。武道館に向けて自分たちの身ひとつで闘っていくというイメージがあるらしいんですけど、それが伝わったら嬉しいです」。
――だけど、こんな衣装のアイドルグループはまずないですからね。
一同「絶対ないですよね!」。
【プロフィール】
アップアップガールズ(仮)(あっぷあっぷがーるず かっこかり)
2011年、ハロプロエッグの研修過程を修了した7人で、アップアップガールズ(仮)を結成。当初はハロプロ楽曲のカバーを中心に活動していたが、2012年3月、初のオリジナル曲「Going my ↑」をリリース。2014年には念願だった中野サンプラザ公演を実現。2015年には日比谷野音公演、そして2016年にはZeppツアーを実現させる。また近年は、“富士山頂上”や“陸の孤島”でライブを行ったり、自衛隊の訓練体験、さらにプロレス団体と合同イベントを実施するなど“アスリート系アイドル”としての性格も強めている。
詳しい情報は公式ホームページ
【CHECK IT】
ニューシングル「!!!!!!!!/君という仮説」が絶賛発売中。11月8日(火)には初の日本武道館単独公演を実施する。
ニューシングル「!!!!!!!!/君という仮説」
仙石みなみ(せんごく・みなみ)
生年月日:1991年4月30日(25歳)
出身地:宮城県
血液型:O型
古川小夏(ふるかわ・こなつ)
森咲樹(もり・さき)
生年月日:1993年10月12日(23歳)
出身地:静岡県
血液型:O型
佐藤綾乃(さとう・あやの)
生年月日:1995年1月7日(21歳)
出身地:神奈川県
血液型:A型
佐保明梨(さほ・あかり)
生年月日:1995年6月8日(21歳)
出身地:東京都
血液型:AB型
関根梓(せきね・あずさ)
生年月日:1996年6月14日(20歳)
出身地:長野県
血液型:AB型
新井愛瞳(あらい・まなみ)
生年月日:1997年11月19日(18歳)
出身地:群馬県
血液型:B型